~ 小杉展示館の主な特徴 ~
◆ 建物 ◆
黒漆喰塗り仕上げの耐火性を持たせた土蔵造りで、窓には、金属製の防火扉を取り付けている。
屋根は、雪国ならではの凍てに強いあずき色の釉薬瓦になり、雪止めは千鳥に配している。また軒先などの瓦等には銀行のマークが付けられている。
外壁は、砺波市の旧中越銀行本店や高岡市の旧伏木銀行のように、当初、黒漆喰の外壁であった銀行建築がスクラッチスタイル張りに変更された中に於いて、県内では唯一重厚でどっしりした黒漆喰塗と白壁の調和が美しい建物として残っている。
◆ 室内 ◆
一階の室内はカウンターが撤去された以外は当初の姿をよくとどめており、飴色に塗られたワニス塗りの木部と壁の白漆喰塗の対比が美しく、格調高く気品のある空間となっている。
壁面は腰廻りが幅木に竪板張りで、腰上を白漆喰塗りとし、応接前にはコリント式の独立柱が立ち、窓や出入り口には繰形を付けた額縁が廻されガラス戸や板扉が建てこまれ、出入り口上部には彫刻ペディメントが付けられ、明治後期の洋風建築が取り入れられている。
かつての業務室が一・二階吹き抜けで、二階のの部分には回廊が設けられている。柱の上部の飾りの彫刻や、回廊の手すりの工夫が特徴である。
現在、各室の天井は近年のクロス貼りになるが、当初は豪華な金唐革紙が貼られており、二階の会議室だけは茶の地色にキラ押しの唐紙が貼られたいた。
また、照明器具も二階会議室を除いて近年の既製品になるが、かつては建物と調和した豪華なシャンデリアが吊り下げられ、カーテンなどど共に今以上の室内空間を醸しだしていたであろう。