射水市小杉展示館は、旧小杉町の有力商家や地主等の出資によって創業され、小杉町及び村の金融の中心となっていた小杉貯金銀行(旧小杉貯金銀行、後の北陸銀行小杉支店)の本館として、明治44年(1911)に建てられたものであり、国登録の有形文化財(平成11年登録)である。
昭和54年まで現役の銀行として営業していたが、新社屋移転を期に旧小杉町に譲り受け、内部を改装し小杉展示館として利用している。
明治期に設立された多くの地方銀行が火災に強いと言われていた土蔵造りであるように、この建屋も中は明治後期の洋風建築が取り入れられた和洋折衷の土蔵造りである。
石積みの腰壁の上に黒く塗り上げららた漆喰壁、窓には金属製の防火扉が取り付けられたいる。凝った模様の袖瓦下は白壁で仕上げられている。
中は、栗色と白色で仕上げられ、銀行時の客だまりと営業室は上部が高く吹き抜け、二階高には回廊が廻らせ、随所に繊細な彫刻が施されている。
奥の金属扉のいかめしさだけが、今なお銀行の面影を残している。
明治33年2月、地元有志の片口安二郎ほか10名が発起人となり、商工業の信仰を期して資本金10万円の小杉貯金銀行を創設することとなり、同年3月25日に設立認可を受け、4月21日富山県射水郡小杉町戸破で営業を開始した。
当初、普通銀行業務と貯蓄銀行業務を営んでいたが、明治45年4月から「貯金」の2文字を除いて小杉銀行と改称した。
初代頭取は片口安二郎で大正2年には、片口安太郎がこれに代わった。大正9年、創立20年を記念して資本金50万円に増資、大正11年、貯蓄銀行業務を富山合同貯金銀行へ引き継いだ。
小杉銀行は規模こそ小さかったが、堅実な経営を進め、資産内容も充実しており、一般の信用が厚かったため、昭和初期の金融恐慌に際しても、わずかの貯金引き出しにとどまった。
その後、昭和12年4月当局の勧奨に従って高岡銀行へ合併することとなった。
■ 開催日 / 平成27年12月16日(水)~
平成28年1月17日(日)
■ 主催 / 射水市小杉展示館
■ 開館時間・・午前9時~午後5時
(入館は午後4時30分まで)
■ 休館日・・毎週月曜日
(月曜日が祝休日の場合はその翌日)
年末年始(12月29日~1月3日)
■ 入館料・・無料
(企画展などの開催期間中は入場料を徴収する場合があります)